いつかのさんた 今日の美優(みゅう)

虹の橋へ旅立ったさんたに見守られながら過ごすみゅうの日常

③ さんたがお泊り

翌8月4日。日曜日なのでもちろんさんたに会いに行く。
既にさんたは慣れてしまったようで、Sさんが振る紐付きのポンポンを追いかけて遊んでいた。
Sさんは朝早く起こされて寝不足の顔をしていたが、さんたは元気いっぱい。
部屋中を走り回っていた。
その日も離れたくないという気持ちを一生懸命こらえて、自分の家に帰った。
実は、Sさんの都合で次の日曜から1週間、さんたを預かることになっていた。
本当なら、慣れてきた家で過ごすのが一番いいのはわかっていたが、どうしても家を
空けなくてはならず、こちらに来てたった1週間でいきなり一人で過ごさせるのは心配だ。
しかもちょっとお腹もゆるかったので預かることになったのである。
さんたを預かるまでの1週間の長さといったらなかった。

お待ちかねのさんたが来た。
ちょうど私も夏休みの1週間。友達との約束もキャンセルし1日中さんたと過ごした。
用事があって、ちょっと出掛けるのでさえためらうくらいさんたに夢中になってしまった。
こんなに、あっという間の夏休みも今まで無かったかもしれない。
さんたを返す日、こんなにも気持ちが暗く憂鬱になるとは・・・
返すのは夜の予定だったが、昼間、返す時のことを考えると寂しくて涙が出てきた。
必死でこらえるが、がまんしてもどんどん涙が出てきて困った。
とうとう、さんたを返す時間になった。
まず、借りていたトイレやえさ入れ、冷え冷えベッドやおもちゃなど身の回りのものを車に積む。
次に、さんたが入っているキャリーバッグ。
とめどなく流れてくる涙・・・いい年をしてもう、号泣である。
とても寂しくて辛い夜だった。